日本各地の生牡蠣を食べ比べ!産地によって牡蠣の味は変わる? | U'beaute – ユーボーテ

海に恵まれた日本は、各地でおいしい海産物を楽しむことができますが、中でも生牡蠣が好きという方も多いことでしょう。 生牡蠣といえば宮城と広島が有名ですが、それぞれの牡蠣の違いはご存知でしょうか。 この記事では日本の牡蠣の特徴と、宮城と広島の牡蠣をはじめ日本各地の生牡蠣について産地による味の違いをご紹介します。

 海に囲まれた島国の日本は、全国各地で牡蠣の水揚げがありますが、最も多く出荷されているのが「岩牡蠣(イワガキ)」と「真牡蠣(マガキ)」です。同じ牡蠣でも種類によって味や大きさ、旬の時期が大きく異なります。

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岩牡蠣とは

 岩牡蠣の産地は日本海側に多く、6月~9月頃に旬を迎えます。産卵期の数ヶ月、ゆっくり時間をかけて産卵するため、殻と身が大きいのが特徴です。その大きさは真牡蠣と比べると歴然で、大きさに厚みがありボリューミーです。食べ応えもあり、味はさっぱりジューシーなのが特徴です。

真牡蠣とは

 一方、真牡蠣の産地は太平洋側に多く、水揚げ時期は10月~4月頃ですが、旬は11月~12月です。真牡蠣は岩牡蠣に比べ小ぶりで身が小さいのですが、旨みが凝縮されたクリーミーな味わいが特徴です。

 日本各地に牡蠣の産地がありますが、岩牡蠣か真牡蠣かで、身が大きくてさっぱりした味わいか、小粒ですが濃厚でクリーミーな味わいかがおおよそ決まります。

牡蠣の二大産地「広島」と「宮城」

 広島県と宮城県が日本の牡蠣の水揚げ量のほとんどを占めています。加熱用を含めた牡蠣の生産量だと一位は広島県ですが、生食用牡蠣の生産量では宮城県が一位です。

 そして先程ご紹介した岩牡蠣か真牡蠣かということでいえば、広島県産は大きくてジューシーな岩牡蠣、宮城県産がクリーミーで濃厚な味わいの真牡蠣となります。

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広島の牡蠣

 広島における牡蠣養殖の歴史は、なんと400年以上前の室町時代から始まります。広島湾の波は静かですが、適度な潮の流れがあるので、牡蠣が育つには好条件なのです。また中国山地の山々は地下水を通して海に豊富な栄養分を生み出し、これが牡蠣の餌となるプランクトンを育てます。よって広島の牡蠣は殻は小さいですが、身がプリっと大粒で肉厚、潮の香るさっぱりとしながらもコクのある味わいが特徴です。

 旬は1月~2月ですが、近年では広島県栽培漁業協会と広島県水産海洋センターが共同開発した「かき小町」というブランド牡蠣が誕生したこともあり、年中肉厚でおいしい牡蠣を楽しむことができます。

宮城の牡蠣

 宮城県三陸地方は、寒流である親潮と暖流である黒潮のぶつかる世界三大漁場と呼ばれています。さらに三陸地方のリアス式海岸の壮大な山々の森に降り注いだ雨が、長い年月をかけて地中の深くに染み込み、それが海へと流れ牡蠣の餌となるプランクトンを育てます。

 この潮のぶつかる漁場と森が宮城県産の牡蠣のおいしさの秘密で、他県産の牡蠣と比べ、クリーミーな濃厚さは格別です。旬は11月〜4月頃ですが、実は3月〜5月が一番おいしい時期と言われているのです。

全国の生牡蠣食べ比べ

 広島県と宮城県以外の牡蠣についても見ていきましょう。

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北海道厚岸の牡蠣

 北海道東部の釧路に近い厚岸(あっけし)では、牡蠣が一年中食べられます。本州以南に比べ釧路近海は低水温のため、牡蠣の成長が遅く、養殖の時期をコントロールしいやすいためです。厚岸の牡蠣は身が大きくコクと凝縮されたクリーミーな旨みが特徴です。

 また厚岸近海は外海のプランクトンに恵まれ、山や湿原の栄養分が豊富な別牛川の淡水が混じり合うという地理にあります。そのため、身が大きく、こってりクリーミーな味わいの牡蠣が育ちます。

岩手県大船渡赤崎の真牡蠣

 赤崎の真牡蠣は耳つり養殖という方法で、温湯処理を施し、3年をかけてじっくり育てています。こうすることで一つひとつの牡蠣に充分な栄養が行き渡り、成熟した豊潤な味わいになるのが特徴です。「幻の牡蠣」ともいわれています。

長崎九十九島の真牡蠣

 長崎県の九十九島といえば入りくんだリアス式海岸が有名で、森から海へ豊富なミネラルが流れ込みます。また海水温が夏と冬で温度差がとても大きいため牡蠣の身が引き締まりコクが出ます。九十九島の真牡蠣はさっぱりとしたコクのある旨みが特徴です。

兵庫県相生の真牡蠣

 瀬戸内海の播磨灘には、播磨五川から運ばれたプランクトンで、牡蠣が良好に育ちます。

 相生の牡蠣はこってりと塩の香るプリッとした味わいが特徴です。

福岡 恵比寿かき

 恵比寿かきは福岡博多湾の唐泊で育ちます。世界有数の漁場である玄界灘で育った恵比寿かきは身が引き締まりプリッとした食感が特徴です。冬場は真牡蠣、春先からは岩牡蠣の両方が楽しめるのも魅力で、現地で牡蠣を味わえるかき小屋も人気です。

まとめ

 日本の生牡蠣の味や大きさは産地によって変わります。

 日本海外の産地であれば身の大きくジューシーな岩牡蠣が一般的で、太平洋側の産地であれば身は小さいですがクリーミーで濃厚な味わいの真牡蠣が多いです。しかし産地ごとの海の状況や養殖の仕方によっても身の大きさや味わいが変わり、水揚げの時期にも違いがあります。旅行やオイスターバーで生牡蠣を食べる際は、産地や品種にもこだわって召し上がってみてはいかがでしょうか。

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