世界初となるカキの「完全陸上養殖」に成功し、“あたらないカキ”が誕生しました。気になる味や値段はどうなるのでしょうか?
■水深200メートル…海洋深層水で養殖
ぷりっぷりの乳白色の身と、栄養が豊富なことから“海のミルク”と呼ばれているカキ。生で食べても、焼いたり揚げて食べたりしてもおいしいのですが、食中毒のリスクがある食材でもあります。
そうしたなか、今月、誕生したのが“あたらないカキ”です。どんなカキなのでしょうか?
ゼネラル・オイスター 吉田社長:「人間に害のない、菌とかウイルスがいないきれいな水。種から成貝になるまで、一回も海に入れないで、海洋深層水をくみ上げて、陸上で完結する」
カキはエサとなる植物性プランクトンを取り込むため、1時間におよそ20リットルもの海水を吸い、吐き出します。
その際、上流の川から流れてきた産業排水や生活排水に含まれているノロウイルスも一緒に取り込んでしまうため、そのカキを食べることで、食中毒を引き起こす恐れがあります。
そこで着目したのが、水深200メートルより深い海洋深層水。海洋深層水にはノロウイルスをはじめとする、ウイルスや菌がいないため、その特性を養殖に利用したのです。
しかし、ウイルスがいないかわりに、エサとなるプランクトンもいないという課題がありました。
吉田社長:「陸上養殖の最大のコストが6割7割エサ代と言われていまして。(45万個のカキの)一日のエサ代が3000万円かかるんです。それを低コストでできるようになったっていうのが一番大きい」
今回「プランクトンの大量培養」に成功したことで、45万個のカキのエサ代は一日数万円に大幅コストカット。ついに、“あたらないカキ”が実現したのです。
それが、株式会社ジーオー・ファームが開発した「エイスシーオイスター2.0」。普通のカキと見た目は変わりません。
■エサで「風味を変えることができる」
世界初の「完全陸上養殖」に成功したことで誕生した、“あたらないカキ”。気になる味は甘さが濃縮されていて、かんだ瞬間にプチッと破裂して、中でカキのうまみがあふれ出ます。
ノロウイルスが検出されない“あたらないカキ”は、甘みが強く栄養価が高いのが特徴だということです。
吉田社長:「普通の養殖のカキは、日本全国産地があるんですけど。その味の決まり方っていうのは、海の状況であったりとか、山の養分とか、その土地古来の条件で決まっちゃうんですけど。我々のカキっていうのは、与えるエサによって、色々風味とかを変えることができる」
卸価格については、一般のカキのおよそ2倍を想定していて、3年以内の出荷を目指しているということです。
(「グッド!モーニング」2023年8月16日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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