小池徹平が大ヒット舞台「魔界転生」の再演で天草四郎を演じる | U'beaute – ユーボーテ

アクションとプロジェクションマッピングの融合で話題を攫ったスペクタクル時代劇「魔界転生」(2018年)。2021年4月7日(水)より、愛知・福岡・東京・大阪を巡る待望の再演が決定しました。そこで今回は、天草四郎役として新たにキャスティングされた小池徹平さんにたっぷりとお話を伺いました。

 「魔界転生」(まかいてんしょう)は山田風太郎の伝奇小説。剣豪・柳生十兵衛を筆頭とする「柳生衆」と、死者再生の術“魔界転生”で蘇った天草四郎ら「魔界衆」との壮絶な激闘を描いた不朽の名作です。もし歴史上の勇士たちが蘇って戦ったとしたら――そんなロマンあふれる物語が多くの人々を魅了し、これまでに映画や演劇、漫画、アニメなど数々のメディアミックスが展開され続けています。

 2018年には、脚本・マキノノゾミ、演出・堤幸彦によって舞台化。上川隆也や松平健ら豪華キャストと、殺陣とプロジェクションマッピングの融合によって、壮大なエンターテインメント時代劇として大ヒットを記録しました。

 2018年の上演から約3年。一部新キャストを迎え、装いを新たに再演することが決定。今回は、物語の鍵を握る天草四郎を演じる小池徹平さんにお話を伺いました。

2.再演の新キャストとして加わることに「ワクワクしている」

 ――2018年の公演にはどのような印象をお持ちですか?

 映像で拝見したのですが、すごく新しいものという感じですかね。時代劇風な設定ではあるのですが、プロジェクションマッピングといった現代の技術との融合が相乗効果をもたらしていることを感じます。時代劇を無理に現代っぽく合わせたわけではなくて、より作品としての広がりがある“新しいもの”が作られたな、という印象です。

 ――新キャストとして出演が決まったとき、どのような気持ちでしたか?

 僕が演じる天草四郎は、前回は(溝端)淳平くんが演じていました。どういう風にやっていたんだろうなって(映像で)見たのですが、フライングやアクションがあって、結構大変そうではあるなと。天草四郎が魔界から蘇るっていうのはファンタジックじゃないですか。悲しくも怖くも見える、不思議な魅力のある作品だなぁと。実際、現実では起こるわけがないんですけど「そんなわけないだろ」じゃなくて、すっと入っていける作品なので、気付いたら感情移入していました。「うわぁこれできるんだ!」と思ったらすごくワクワクしましたね。

 ――2018年から続投するキャストの方々もいるなかで、新キャストとして加わることにプレッシャーは感じますか?

 いやー、あまり僕は感じていません。作品の途中から参加させていただく経験はあまりないのですが、そんなにプレッシャーはないかもしれないですね。なんでだろう? なぜか分からないんですけど、新鮮な気持ちというか。新たな作品を作るという気持ちですね。

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3.単純な敵役に収まらない、悲しさを帯びた天草四郎

 ――「魔界転生」の天草四郎といえば、これまで妖艶でミステリアスに演じられてきた役です。小池さんはどのような役作りをイメージされていますか?

 まだ台本をいただいていない状態ではありますが、ポスター撮影などを通してなんとなくビジュアルのイメージができています。転生して恨みを晴らす“敵役”ではあるんですが、見方によっては敵かどうか分からないなぁとか。家族に対する想いが強い人間味のある部分があったり。共感してもらえる部分はすごく見ていただきたいです。新たな台本でどういう風に描かれるのか僕も分かりませんが、ただ悪い奴っていうだけじゃないぞっていうところを表現していきたい、みなさんに分かってほしいなっていう気持ちですかね。

 ――今回の天草四郎も、怒りと憎しみを前面に出すキャラクターになると思われますが、どういった点から役にアプローチしようと考えていますか?

 一個ずつ紐解いていく感じですかね。どういう恨みでどういう感情で、転生してまで成し遂げないといけないことって、今は全然想像もつかない。だって僕自身は毎日子どもを抱いてわいわいしてる感じなので、真逆というか(笑)。

 ――台本から読み解いていく、というのが小池さんの役作りのスタイルなんですね。

 わりとそうですね。変に先入観を持って台本は読まないです。こういう人物だなっていうのは頭に入れつつ、こういう風にやろうって決めて台本は読まないですね。じゃないとそういう読み方しかできなくなっちゃうんで。

4.ビジュアルが役作りの礎を築いてくれる

 ――本公演のポスター撮影で天草四郎の姿になってみていかがでしたか?

 今回の天草四郎をどんな感じにするか、細かいことは決まっていなくて。死人だから顔色を悪くすることにはなっていたんですけど、変に白く塗りすぎてもやりすぎになっちゃうし……。ひとつ、唇の色をちょっと強めに出させてくださいってお伝えしたぐらいですかね。強い意志みたいなものを顔で出すとしたら、唇の色がある方がいいのかな、ということで注文させてもらいました。

 ――衣装やメイクを施してビジュアルを作り上げることが、役作りの支えになることはありますか?

 めちゃくちゃあると思います。台本がないなかで、ポスター撮影のときに天草四郎の気持ちにさせてもらうのはメイクと衣装ですし。

 本当に衣装が素晴らしくて! 採寸とかせずに現場へ行ったら衣装が用意されてて、着付けしていただいたんですが、ぴったりで! 技術というかスタッフのみなさんが素晴らしくて、それは本当に感動しましたね。前回使った小道具や、魔界のドクロのヘアアクセサリーとかも、ぱっと見すごく派手なんですけど、実際つけて撮るとちょうど良かったり。職人芸を感じる撮影でした。

 すごく役への気持ちを上げていただけました。この上げていただいたスイッチを大事に切らずに、今もずっと保っているような状況ですね。

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5.ベテランの立ち回りを生で見られることが楽しみ

 ――時代劇の舞台出演は今回が初となりますが、楽しみな点や、課題だと思われる点はありますか?

 衣装を着させていただいたときに感じたんですが、着物は結構な重さがあるんですよ。もちろん、他の作品でも着物を着させていただいたことはあったんですが、着た状態での立ち回りは初めてなので、そこは心配部分のひとつですね。着物の袖が厚いと刀さばきが難しいし、足元はどういう靴か分からないですけど、立ち回りはすごく稽古しなきゃなって思っています。また、先輩方の刀さばきや稽古姿を、実際に目の前で見られる機会ってなかなかなかったので、その辺は非常に楽しみにしてます。

 時代劇の勉強をしたいなって思っていたら、こういう話が続いてて不思議な縁を感じるんです。しっかり教えてください、とまではいかないですけど、見て得られるものってたくさんあると思うので。なるべく稽古に立ち会える空間であることを望みますね。

 本当に頼りになる殺陣の上手な先輩方がたくさんいらっしゃいます。もちろん、見て盗むっていうのが当たり前だと思うんですけど、上川さんとかね、ちょっと頼んだら教えてくれそうな優しい器の方だなっていう気はしているので。上川さんとは初共演なのですが、甘えてもいいのかな?と勝手に思っています。

6.上川隆也さんとは初共演、藤原紀香さんは姉的な存在

 ――ベテランのキャストがたくさんいらっしゃいますが、どんなやり取りをしてみたいですか?

 理想を言えば「飲みに連れて行ってくださいよ」みたいなやり取りですけど、今はそういうわけにもいかないでしょうから。話すきっかけがあったらいいですけどね。でも今回、藤原紀香さんがいらっしゃるのは自分のなかで大きくて。普段でも「のり姉」って呼ぶぐらいお姉さん的な存在なんです。しかも天草四郎の姉役ということで、いい意味で無理のない姉さん感が出せることが頼れそうだなと。紀香さんから徐々に交流を広げていけたらいいんですけどね。

 ――上川隆也さんとは初共演とのことですが、どのような印象をお持ちですか?

 松尾スズキさんのミュージカル「キレイ-神様と待ち合わせした女-」(2019年)に出演した際に、見に来てくださったんですよ。それだけでもありがたいのに、わざわざ楽屋まで来てくださって。今度ご一緒させてもらいますってご挨拶させていただきました。こっちから行かなきゃいけないのにわざわざ来てくださったっていう、器の大きさというか、男らしさというか、物腰の柔らかさというか、全部持っていらっしゃる方なので。実際早くお会いしたいなっていう気持ちがあります。

 ――上川さん演じる柳生十兵衛は天草四郎と敵対する人物ですが、どんなところに魅力を感じますか?

 あの適当さというか、本性を見せないところはかっこいいですよ。結局やるときはやる、本当に大切に思ってるものは大切にする。昭和感っていうとちょっと違うかもしれないんですけど、好きなんですよね(笑)。普段大丈夫だよって言っておきながらいざというとき助けてくれる。心に余裕があるのが魅力的だなって感じます。僕は、上川さん演じる柳生十兵衛がめちゃくちゃ好きですね。

7.コロナ禍で舞台に立つことへの強い想い

 ――2020年は新型コロナウイルス感染症の拡大により、小池さん主演のミュージカル「るろうに剣心 京都編」が中止になるなど多大な影響を受けました。約1年ぶりの舞台出演に対する想いをお聞かせください。

 まだやっぱね、舞台に立てるのかなっていう思いが一番なんです。立つためにやるべきことをやるっていう、ただそれだけではあるんですけれども、それがすごく大変な時代なので。キャストの人数も多いですし、殺陣も多いでしょうから、動きや汗をかいたりとかって、気を付けなきゃいけないことがたくさんある。室内でやるとなると、相当大変なことなのかなっていう気もしてて。多分、みんなそれなりにいろんなストレスを抱えながらやるでしょうし。

 それを乗り越えたからこその初日の喜びっていうのは、絶対に次こそ僕は叶えたいなという想いはものすごく強いので。ワクワクよりも頑張んなきゃなっていう。いやもちろんワクワクもありますけど。全然いつもの舞台と違いますよね、変に「楽しみっすねー!」って感じじゃないですね。浮かれていられないです。

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