2005年にブロードウェイで初演され、トニー賞10部門11ノミネート、ミュージカル主演男優賞を受賞した傑作コメディミュージカル『ペテン師と詐欺師』。本講演でW主演を務める俳優の山田孝之さんと石丸幹二さんに、作品の見どころを取材しました。
はじめに本作品に関して、「石丸さんと共演するということで、プレッシャーよりも楽しみな方が大きい。早く皆さんと稽古に入りたいと思っていました。なので、今日が待ちに待った稽古の初日です」と話すのは山田さん。それを受けた石丸さんも「山田さんとミュージカルで共演できるのは夢のよう。『ペテン師と詐欺師』はブロードウェイで観たときに、いつかやりたいと思っていたんです。それが叶い、今日はとても幸せな稽古初日」と笑顔で応えます。
今回、演出・上演台本を手掛けるのは、コメディを得意とする福田雄一さん。福田演出作品に初出演の石丸さんは「福田さんの台本、演出通りに、真面目に演じれば、作品は面白くなるはず」と信頼を寄せます。また、福田さんとのタッグで数々のヒットを飛ばしてきた山田さんも「やっぱり台本通りにやればおもしろくなると思います」と話したうえで、「福田さんだから、アドリブは求められるでしょうね」と笑います。
また、福田さんの演出に関して「ちょっとずつ詰めていって完成させるのではなく、かなり初期の段階から通しで稽古をするんです。そうすると、動きと同時に台詞も自然に入ってくるし、慣れていく」と山田さん。それを聞いた石丸さんは「福田さんの演出は、台詞を覚えた上で、読み合わせの翌日から立ち稽古が始まるから、いつもとは勝手が違うぞと聞いていました。僕は台詞が入るのが遅いので、難しい現場になるなと覚悟してたのですが、今日、立ち稽古しながら台詞を体に入れていくことが許されるんだなと分かり、少し安心しました」と笑います。
お互いの役柄について語る、石丸幹二さん(左)と山田孝之さん(右)
それぞれの役柄について山田さんは「まだそんなにスキルがない。でも若さがあるから自信がある。そんな調子にのっている、ナメてかかっている詐欺師。その未熟さを実感することもあるけど、根拠のない自信が彼の可愛さでもあると思います」と話します。それにたいして石丸さんは「自信に満ちた詐欺師が、ある意味マンネリ化してしまったところに、若くて実力のある詐欺師に出会ってしまう。おかげで、もう一度初心にかえる、というのがおもしろいと思っています」と話します。そんな主役の2人ですが、“同じ役柄でも相手によってキャラが変わる”というのは、詐欺師を主役にした本作品の見どころのひとつなのだとか。
そして、楽曲の魅力について語ってくれたのは石丸さん。「聴いているだけで惚れ惚れするような楽曲のオンパレードです。なのに、歌詞はハチャメチャ。上手く訳されていると思います。ただ、楽譜通りに歌うのはとても大変で、歌い手泣かせです。例えば、一小節の間に2回転調するなんてことも。そこにはいろいろな心理の変化が表わされていて、まるで騙し合いのような曲調」。それを受けて山田さんも「踊りもすごく大変だと、踊り慣れている方たちも言っていました。こちらも、観ている分にはそう見えないと思うのですが」と話しつつ「なんとか本番までに見られる範囲までもっていこうと思っています」と意気込みを語ってくれました。
粋な大人たちの騙し合いが繰り広げられ、「見終わったあと、すごくハッピーな気持ちになる作品」と石丸さんも語るミュージカル『ペテン師と詐欺師』。ぜひ劇場でお楽しみください。
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