ステージ上には役者が一人。それを取り囲むように客席が配置され、観客も時に物語に参加する『エブリ・ブリリアント・シング』。2013年にイギリスで初演され、その後ニューヨークなど世界各地で上演されている話題作です。日本初上陸の今回、役者として選ばれたのが佐藤隆太さん。20年の俳優人生の中で、初となる一人芝居に挑戦する佐藤さんに、公演の見どころを聞いてきました。

観終わった後、「参加してよかったな」と思える舞台です

佐藤さん:このお話をいただいた際、「日本ではシャイな方が多いかも」という不安がありました。その後実際にアメリカのユタ州に同作を観に行き、僕も観客として参加したんですね。参加方法はすごく簡単。最初に「1番 アイスクリーム」などと書かれたカードを渡されるんですが、演者が「1番」と言ったらその番号に基づいて「アイスクリーム」と言うだけなんですよ。一言発するだけでも、観終わった後に「参加してよかったな」と思えて。“作り手として一つのパートを担った”ということが、なんとも言えない感動や興奮につながってくるんですよね。

ドキドキ感もプラスに働く脚本

佐藤さん:もちろん「自分の番号がいつ呼ばれるんだろう」というドキドキ感もあります。ですが、おそらくそれも計算した上で脚本がつくられているので、観劇にあたってそのドキドキ感もプラスになるというか。もしかすると、ただただ純粋に観るよりも、参加した方がより楽しめるかもしれません。僕の場合、もし参加していなかったら「やっておけばよかったな」と後悔したと思います。

演者だけでなく、観客にも拍手が送られている気がして

佐藤さん:芝居が終わって拍手が起こる時、それが演者だけでなく、一緒に物語を紡いでくれた皆さんにも送られているように感じて、すごく感動したんですよね。普段の演劇を観ている時とは違う体験というか。もちろんそれは、参加せずに温かく見守っていたお客さんにも贈られている拍手なので、「絶対に参加してください」ということではないのですが。僕の実体験としては、参加できて良かったなとすごく思います。

参加/不参加は選べるので、気楽に来てください

佐藤さん:基本的には「短い一言を発する」だけなので、事前準備は全く必要ありません。噛んでしまってもなんの問題もないですし、気楽に観に来ていただきたいです。もちろん参加しないで純粋に観ていただけるのもうれしいです。開演前に僕がお客さんとコミュニケーションをとるので、「いや、(参加は)無理です」と言ってもらえれば、「そこをなんとか」とは言いませんので(笑)。ユタの役者さんも見事だったんですけど、お客さんの緊張をほぐすことがまず大事になってくるかなと思っていて。「どうしようかな」「私は遠慮しておこうかな」と思っているその奥に、もしちょっとでも「参加してみようかな」という感情が見え隠れしている方がいたら、気持ちをほぐして引き出せたらいいなと思います。

「想像できない」=「見たことのない景色が見られる」

佐藤さん:最初にこの話をいただいた時、どんな作品になるのか全く想像がつかなかったんです。だからこそ飛び込んでみたいと思ったというか。一人芝居は背負うものがすごく大きいですし、冷静に考えてみるとやっぱり怖いんですよね。特に今回はお客さんを巻き込んで物語が進行していく作品なので、お客さんが変われば毎回空気感も変わる訳で。どれだけ稽古しても「これだ!」と固まることがないんです。ただ、はっきりしているのはなんだかワクワクしそうだということ。「想像ができない」ということは、「見たことのない景色が見られる」ということなので、これはもう覚悟を決めてやってみようかなと。

 

「想像できない」=「見たことのない景色が見られる」

全力を出して挑めば、熱量やすがすがしさが伝わるはず

佐藤さん:演者の枠が一つしかない舞台なので、そこに自分の名前を挙げてくれたことへの感謝もあります。今までやってきたどの作品にも似ていないのですが、この20年を振り返ると、「怖い」と思いながら参加した作品の方が、終わった時に視野が広がったように感じるんです。今までとは違った自分が必死で戦うから、少しかもしれないけれどやっぱり広がるんですよね。だからこれが終わった時に、半歩か一歩前進できるんじゃないかなと思っていて。その時の自分の全力を出せば、その熱量やすがすがしさがちゃんと伝わるはず。「何が起きても大丈夫」という気持ちでやってみようかなと思っています。

本気で何かに打ち込むと「いい顔」に変わる

佐藤さん:スイッチが入って、本気で一つのことに打ち込んでいる人って明らかに表情が変わるな、とよく思うんですよ。何年も付き合っている同級生でも「あ、最近いい顔してるな」とか。たまにですけど「いい顔してるね」と言われる時は、自分でも何か一つのことに集中できているタイミングだったりして。しんどいけれど、気持ちのいい望み方というか。好きなことを本気でやることが、自分の心も生き生きとさせてくれるのかなと思いますね。だからすごく恵まれていると思います。自分の好きなことを仕事にできて、こうして20年続けられているのは。

 

『エブリ・ブリリアント・シング』あらすじ

僕が7歳の時に、ママが入院した。どうやら、生きることが切なくなってしまったみたいだ。僕はママを勇気づけようと、ステキなことやステキなものを、ノートに書き出してみた。

 1番 アイスクリーム
 2番 水鉄砲合戦
 3番 寝る前に見るテレビ
 4番 ………………

そして1000番まで集まったら、ママは、きっと元気になる!そう信じて。ママは時折、僕のノートを見てくれていたみたい。だって、まちがった字を、ちゃんと直してくれたもの。そんな子ども時代を過ごした少年が、大人になっても、ステキなことを書き続けている。それは……。

 

【佐藤隆太×谷賢一ポストトークあり/半館貸切】観客参加型、海外で一大旋風を巻き起こした斬新な一人舞台、日本初演決定《エブリ・ブリリアント・シング ~ありとあらゆるステキなこと~/全席指定》

 

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