ヘルシーながらもストイックなイメージもあるベジタリアンですが、実は種類があります。特に、近年増えているマクロビカフェのマクロビもベジタリアンと混同されることがありますが、そもそもの考えが違います。どう違うのか見ていきましょう。
ベジタリアンや菜食主義と呼ばれる食生活を実践している人でも、徹底して動物性のものを食べない方と、野菜を中心にしながらも動物性のたんぱく質も摂る人、野菜を中心にヘルシーな生活を送る緩やかなベジタリアンなどがいます。
大きく分けると、ベジタリアンとビーガンに分かれ、より徹底しているのはベジタリアンではなくビーガンです。
両者ともに肉、魚は食べないという点は共通していますが、ベジタリアンは牛乳や卵は食べます。また砂糖は控える代わりにハチミツも使ってもいいという特徴があります。一方、ビーガンは動物性由来のものは徹底して排除する主義であり、牛乳や乳製品、卵に加えハチミツも摂取しません。
2. ベジタリアンとビーガンの食生活
ベジタリアンは卵や乳製品はとりますが、その食べ方や量などは人それぞれです。ビーガンに近い実践法で基本的には野菜や穀物、豆類を中心にし、極たまに卵を使った料理や乳製品をプラスしたり、お菓子作りに利用したりするといった方もいます。
一方、ビーガンをしっかり実践している方は乳製品や卵、ハチミツも一切使いません。人間の体に必要な三大栄養素として糖質、脂質、たんぱく質がありますが、どのように摂っているか気になるところです。
糖質は穀類やイモ類、果物などから、脂質はオリーブオイルや菜種油、米油などの植物油を使った料理から、たんぱく質は豆類をはじめ、穀類からも摂取できます。
ビーガンというと、さっぱりした料理でヘルシーなイメージがありますが、意外に揚げ物も食べます。 大豆を肉に見立てたソイミートを唐揚げにしたり、とんかつ風にアレンジしたりするのです。また、ソイミートを使ったベジハンバーグなども食べることがあります。
ベジタリアンはこうした食材や料理に加えて、卵や乳製品もOKとしているので、ポテトにチーズをのせたポテトグラタンや卵を使ったお菓子作りなども可能です。
3. マクロビでよくある誤解「お肉禁止」
近年はいろいろな食生活を送るスタイルの方が増え、マクロビやマクロビオティックという言葉も聞く機会が増えてきました。ベジタリアンと混同されがちで、玄米菜食主義などと呼ばれることもありますが、マクロビは動物性は食べてはいけないといった考えから出発しているものではありません。根本概念として「身土不二」(しんどふじ)、「一物全体」(いちぶつぜんたい)、「陰陽調和」(おんみょうちょうわ)という考え方に基づいた食事療法の1つです。
ベジタリアンは欧米を中心に発展してきた食生活の1つですが、マクロビは実は日本が発祥なのをご存知でしょうか。明治時代に生まれ、昭和41年に亡くなられた桜沢如一さんが提唱した食事療法です。
「身土不二」とは、人間の体と環境(土)は切り離せない(不二)という理論で、人間が健康的に暮らしていくには、その土地や季節にあった食べ物を食べるのがいいという概念です。
日本には四季があるとともに、南北に長く、北国から南国まであります。沖縄料理と北海道や東北地方の食文化が違うように、その地域で伝統的に食べられているものを食べるのが健康につながるという考え方です。
「陰陽調和」は東洋医学的な発想であり、体を温める食材は陽性で、冷やす食材は陰性と分けます。 いずれが良い、悪いではなく、暑い時期や体がほてる際には陰性の食べ物、寒い季節や体が冷えやすい方は陽性の食べ物を積極的に摂るようにし、陰陽のバランスを保つことが大切と考えます。
4. ベジタリアンやマクロビを徹底できなくても、まずはランチに取り入れてみては?
ベジタリアンやビーガン、マクロビとそれぞれ考え方や食べ方などが違いますが、あくまでも考え方の1つです。どれが良い、悪い、どれかを徹底しないといけないではなく、そういった考えもあるのだという気持ちで、日々の生活に少しずつ採り入れていくと、ヘルシーな食生活が目指せます。
ダイエットを始めたい、メタボが気になる、お腹周りが気になる、健康的に生きていきたい、動物の命をいただくのがつらいなど、何かベジタリアンやマクロビに興味を持つキッカケがあれば、飲食店を利用してランチから始めてみてはいかがでしょうか。
いきなり、自分で調理しようとしても考えや調理法が難しいと思えてしまいます。ですが、最近はヘルシー志向のカフェが増えており、マクロビ専門店やビーガン向けやマクロビメニューを設ける飲食店が増えているので、気軽に試してみましょう。