1.『グランメゾン東京』第1話で登場:「クスクス」の名前の由来

 木村拓哉さん主演のドラマ『グランメゾン東京』の第1話ではクスクスが登場しました。元々クスクスはアラブ地域でよく作られていたものです。フランスがマグリブ地域を占領したとき、クスクスがフランス南部に伝わりました。その後、北部の方にも伝わり、その結果フランス料理の代表的なメニューとなったのです。今ではフランスの国民食とまで言われています。

 

 クスクスという名前の由来は、ベルベル語の「丸めたもの」からきています。小麦粉を粒状に丸めたものをいくつも作り、主食として食べるのです。もっともこれだけではただ小麦を食べているだけなので味気はありません。どの地方でもこれに加えて、タージーンと呼ばれる具入りのスープと合わせて食べるのが一般的です。

 

 フランス料理では、まずお皿にクスクスを盛り付け、その上にお肉を乗せたあと、スープをかける食べ方が多いようです。お店によってはクスクスやスープは無料でお替わりできることもあるので、食べ過ぎないように注意したいところです。メインディッシュとして提供するお店がほとんどですが、赤ワインとの相性が抜群ですのでぜひ一緒に召し上がってみてください。

 

 また、比較的簡単に調理できるので、フランス料理店ではよくまかないとしてスタッフに提供されることがあるようです。そのため、フランス料理店で修業した経験のあるシェフは、このクスクスを思い出の味として挙げることが少なくありません。『グランメゾン東京』でも木村拓哉さん演じる尾花シェフがまかないとして作った思い出のメニューとして登場しています。

 

 

2.『グランメゾン東京』第2話で登場:定番メニューである「プレッセ」とは?

 続いて『グランメゾン東京』の第2話で登場したナスのプレッセについて紹介していきましょう。プレッセはフランス語で「圧搾する」という意味を持った言葉です。

 

 たとえば果物を絞ってジュースにするときも、このプレッセという言葉が使われています。フランス料理においてはテリーヌと呼ばれる料理と合わせて代表的な料理のメニューになっていることが多いです。

 

 テリーヌは鍋にゼラチンを入れて食材を固める料理で、元はといえば保存食として使われた技術でした。現在ではさまざまな具材の汁を絞って鍋に入れることでテリーヌを作っていきます。つまり、プレッセはテリーヌの調理過程で出てくる言葉なのです。

 

 ドラマではナスを使ってこのプレッセが作られていました。

 

 ナスには春と秋、年に2回旬の時期があります。皮が柔らかく水分も多く滑らかで柔らかいのが特徴の春ナスに対して、秋ナスは皮が固く身もしっかりしていて、加熱しても身が崩れないのが特徴です。ドラマではそんな秋ナスとホロホロ鶏のレバーとをサンドして作ったプレッセが登場していました。

 

 

3.『グランメゾン東京』第3話で登場:フランス料理の「ロティ」はローストと何が違う?

 『グランメゾン東京』の第3話では鹿肉を使ったロティが登場しました。

 

 ロティという言葉には聞き馴染みがない、という方も多いでしょうが、英語におけるローストと同じ意味を持った言葉です。ローストビーフやローストチキンは日本でも馴染みのある料理となりつつありますが、フランス料理におけるロティはそれと少々調理行程が違います。たとえばローストビーフは一度牛肉に焼き色を付けたあと、アルミホイルなどに包んだうえでオーブンに入れてじっくりと過熱していきます。ロティも一度焼き色を付ける点ではローストと変わりありません。しかし、フランス料理ではこのあとパイ皿でお肉を包んだうえでオーブンに入れるのです。

 

 なんともおしゃれな調理方法ですが、厨房でも美的センスを発揮するあたりにフランス料理の本領が表れているといえるでしょう。オーブンで加熱したできあがったロティは、水分が飛び、香ばしい香りが漂ってきます。

 

 「グランメゾン東京」では、これに鹿の血液を使用したコンソメのソースを合わせていました。お好みに合わせていろいろな味付けをしたうえで、素材の味を存分に堪能できる料理といえるでしょう。