発酵食品と聞くとどのような食べ物を思い浮かべますか? 代表的なものだと納豆やチーズが挙げられますが、身体に良いとはわかっていても具体的にどんな効果があるのかは良く知らないという方も多いと思います。そこで今回はこの発酵食品の効果について見ていきましょう。
そもそも発酵と腐敗は科学的に見れば同じ現象です。食べ物の中に含まれている細菌や微生物が化学反応を起こし、食べ物の細胞などを壊していき、食べ物の形状や味を変えてしまいます。
しかしながら、腐敗が食べ物に含まれるたんぱく質などをアンモニアのような悪性物質に変えていく一方で、発酵はアミノ酸のようなうまみ成分に変えていくのです。古くから大豆や牛乳をあえて腐らせることでおいしい食べ物に変える技術は発達してきました。納豆や味噌、チーズやヨーグルトなどは今も私たちが食べている代表的な発酵食品といえます。
こうした発酵食品はおいしいからこそ食べられているものですが、それ以外にも様々な効能があることがわかってきました。
2.発酵食品は腸に良い?
通常、私たちが腐った食べ物を口にしたらお腹を下してしまいます。一方で、発酵食品は食べてもお腹の調子は悪くなりません。むしろその逆で、ヨーグルトや納豆などを食べるとお腹の調子は良くなっていきます。
これはなぜかというと、発酵食品には善玉菌という腸の調子を整える菌が含まれているからです。腸の調子が悪くなる原因の一つに、腸の中に含まれている悪玉菌の割合が増えてしまうことが挙げられます。この悪玉菌を減らすには、善玉菌を積極的に摂取するしかありません。善玉菌は悪玉菌を倒してくれるとても有能な菌なのです。
3.発酵食品を食べて腸活をすると良い効果がたくさん?
発酵食品を食べることによる効果は、単にお腹の調子を整えてくれるだけではありません。腸は人間の体調を左右する重要な器官であることがわかっています。腸の調子が良ければ体調は良くなり、腸の調子が悪ければ体調は悪くなる、といっても過言ではないでしょう。最近では腸活と称して腸を整えれば健康になる、という健康法がブームになっていますが、実際に腸の調子を良くすることにはさまざまなメリットが挙げられます。
まず最初にメリットとして挙げられるのが免疫力の向上です。
人間は空気を吸ったり、食べ物を食べたりすることで常に細菌を身体の中に取り入れています。こうした細菌を殺してくれるのが免疫機能なのですが、実は身体の中で最もこの機能が働いてる場所こそ腸なのです。
腸の調子が悪ければ免疫が働かなくなり、病気になりやすくなるといえるでしょう。病気知らずの身体を作るためにも、発酵食品を食べて積極的に善玉菌を摂取することを欠かせないのです。
さらには腸の環境を整えるということは当然、お通じにも影響します。女性の場合、便秘によってお肌の調子が悪くなることもありますが、発酵食品で善玉菌を摂取することで便秘が解消されて美肌に導いてくれるというわけです。
4.発酵食品でダイエット!?
人間の身体は常にカロリーを消費しています。たとえ運動していなくても、筋肉や臓器などを維持するためにエネルギーを使っているのです。このことを基礎代謝といいますが、年齢を経るにつれてこの基礎代謝力は落ちていきます。なぜ基礎代謝が落ちていくかといえば、体内の中に酵素が減っていくからにほかなりません。
人間の身体の中には元々代謝酵素という代謝を助けてくれる酵素があるのですが、加齢とともになくなっていくのです。この代謝酵素を補うためには、食事によって酵素を摂るしかありません。人間の身体には自ら酵素を生み出す力はないので、外から取り入れるしかないのです。酵素を摂るには特別なサプリなどに頼る必要はありません。酵素は発酵食品のほとんどに含まれています。
発酵食品を摂ることで代謝酵素を取り入れ、基礎代謝を増やしていけばダイエットにもつながるでしょう。